業務効率化やDXが求められる昨今、BPaaS(ビーパース)という新しい選択肢に注目が集まっています。とはいえ、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やSaaSとの違いがあまり分からず「自社に本当に合うのか」「費用対効果は?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

とりわけ経理・財務領域では、国内ではインボイス制度の開始や電子帳簿保存法を背景に標準化・電子化の波が加速しています。さらにDX人材不足も重なり、こうした業務を外部運用×データ可視化するような「Finance BPaaS」の需要が高まっています。

本記事では、BPaaSの基本からBPO・SaaSとの違い、メリット、導入時の注意点を解説します。さらに、国内主要Finance BPaaS/BPOサービスに加え、CFO代行(シェアリングCFO/スポットCFO)サービスも比較対象に含め、価格・サポート体制・対象業務範囲の3軸で整理しました。

それぞれのサービスの特徴や強み・弱み、どのような企業に向いているかを分かりやすく解説し、比較表としてまとめています。企業のIT部門・ファイナンス部門の責任者や経営層の方々にとって、お役立ていただけましたら幸いです。


BPaaS とは

BPaaS(Business Process as a Service)は、業務プロセスを「ツール(SaaS)+ BPO(業務プロセスのアウトソーシング)」のセットで継続提供する形態です。単なるツールの提供や業務の単純な委託だけでなく、業務、ツール、専門人材まで含めたプロセス全体をサービスとして提供します。

BPO・SaaS との違い

項目 BPO SaaS BPaaS
提供内容 業務そのものを委託(人に任せる) ソフトウェアを利用 業務プロセス+ツール+運用をセットで提供
主な担い手 委託スタッフ/派遣要員 ユーザー自身 委託先チーム+クラウド運用体制
特徴 人手中心/個別対応 自社運用前提/標準化されている 共通SaaS基盤で標準化・自動化・可視化
メリット 専門業務を任せられる 初期コストが低い/どこでも使える DX・効率化・ガバナンスを同時に実現
デメリット 担当者依存・ブラックボックス化 運用ノウハウが社内に必要 標準プロセス外の個別対応は難しい

BPaaS が注目される理由

1. 制度対応の高度化
インボイス制度や電子帳簿保存法の施行により、証憑の電子化・統一管理が必須となりました。従来の紙ベース運用や人手対応では限界があり、標準化されたクラウド運用が求められています。

2. 人材不足と業務の複雑化
経理・人事・総務といったバックオフィス職の採用は年々難しくなっており、「人を増やせない中でどう回すか」が経営課題になっています。BPaaSは専門人材の確保と教育コストを省きつつ、標準品質を保つことができます。

3. データ活用・DXの加速
クラウド上でプロセスとデータが統一されるため、経営判断に使える情報がリアルタイムで可視化されます。たとえば、予実管理や資金繰りなどを自動レポート化するFinance BPaaSなどが登場しています。


Finance(経理・財務)領域における BPaaSの有用性

一般的に経理・財務部門は、次のような特徴を持っています。

  • 月次・年次の決算スケジュールや税務申告など、定期的に発生する定型プロセスが多い。
  • 予実管理、資金繰り、投資家対応など、事業成長に直結するマネジメント用途のデータ要求も増えている。
  • 制度変更(インボイス制度、電子帳簿保存法など)やグローバル展開に伴う監査・ガバナンス要件も高度化している。
  • 専任のCFO・財務人材確保が難しいケースが多く、専任部隊を社内に揃えるのがコスト/時間ともに負担となる。

こうした背景から、ファイナンス領域においては「標準化+可視化+運用性」を備えた「Finance BPaaS」の活用が特に期待されています。クラウド上で記帳から決算、予実分析、資金繰りまでを一貫して回すことで、データの分断を防ぎ、意思決定速度を高められ、IPOやM&Aの準備をスムーズに進められるようになります。


Finance BPaaS サービスを比較する3つのポイント

サービスを選定・比較する際には、以下の3つのポイントに注目することが重要です。

  1. 価格: 初期費用・月額費用・従量の有無や最低契約期間、自社の取引量に課金がフィットするか。
  2. サポート: 導入設計、専任担当、対応時間(平日/24h)、オンサイト可否、英語/海外拠点対応。
  3. 対象業務: 記帳〜月次・年次決算、税務、労務、レポーティング、既存ERP連携、将来の内製回帰のしやすさ。

Finance BPaaS と CFO 代行サービスの比較

BPOと並んで選択肢として増えているのが「CFO代行(シェアリングCFO/スポットCFO)サービス」です。
代行は、資金調達・管理会計・投資家対応など「上流の意思決定」を強化するのが主目的であり、日々のオペレーションは社内やBPO/BPaaS側で担う前提で設計されていることがほとんどです。

  • オペレーション基盤の整備 → Finance BPaaS / BPO
  • 経営・ファイナンスの戦略パートナー → CFO代行

実務上はこれらを組み合わせて使われることも多いですが、ZenXのようにFinance BPaaSの中にFractional CFO(外部CFO伴走)機能を内包するモデルは、「オペレーションとCFO機能を分断させずに、一体として立ち上げたい企業」にフィットしやすいと言えます。


国内 Finance BPaaS/BPO サービスの主要7社の比較

各サービスの強み・弱みと「どのような企業におすすめか」を一覧表にまとめました。

サービス名 特徴 強み 弱み 費用 このような企業におすすめ
EY Japan
(EY ビジネスパートナー)
世界Big4の一角。会計・税務・給与・統制までEnd to Endで対応する総合BPO。IFRSや内部統制にも強み。 専門性・信頼性の高さ: 公認会計士・税理士が多数在籍し、IFRS/国際税務/連結決算に対応。
ガバナンス品質: 内部監査・統制構築支援を含む。
高コスト・導入長期化: 専任チームによる設計で費用・期間が大きい。
契約・変更対応がフォーマルで柔軟性に欠ける。
個別見積(高価格帯)
導入目安3~6ヶ月
大企業/上場企業/グローバル企業で統制・監査対応を重視。
品質最優先で経理部門を丸ごと委託したい企業。
マネーフォワード
「おまかせ経理」
自社SaaSと連携するクラウド型経理代行。経費・請求・支払・給与処理を月次5営業日で完結。 クラウド一体型・低価格: 自社クラウドと自動連携。
スピード感: 最短5営業日で試算表作成。
ツール前提: マネーフォワード製品が必須。
対象規模が小さい: 大企業案件ではスケール不足。
月額
¥50,000~
¥100,000
中小〜中堅企業で経理担当不在や退職リスクに対応したい企業。
既にMF製品を導入済みで、素早く立ち上げたいケース。
freee
BPaaS / 受取請求書アシスト
freee会計と連動。請求書受領〜仕訳〜支払処理までを自動化するBPaaS型。 定型業務の自動化: 請求処理・債務管理を効率化。
低コスト・クラウド完結: 導入が容易。
機能範囲が限定的: 決算・予実・税務などは非対応。
中堅〜大企業には非対応: 多通貨連結機能など。
月額
¥35,000~
中小企業/個人事業主層で一部工程の効率化を目指すケース。
段階的な外注や内製回帰を視野に入れる企業。
FOC
(NOC/FOC 経理アウトソーシング)
国内老舗の総合経理BPO。30年以上の運用実績と柔軟なサービス設計。 国内実績と安定品質: 記帳〜決算〜税務申告まで対応。
コスパ良好: 必要人員を最適配置。
海外・英語対応が弱い: 国内企業向けが中心。
ブランド力は中堅レベル。
中価格帯 国内中心で業務効率化を進めたい中堅〜大企業。
段階的な外注拡大を検討する企業。
パーソル BPO
(パーソルビジネスプロセスデザイン)
経理・人事・ITを横断したBPO。50年超の実績。人材供給力とRPA/AI活用提案が強み。 大規模統合・移管に強い: 複数部門・拠点横断で業務を標準化。 中〜高価格は過剰: 高コスト構造。
戦略助言領域は限定的: 実務代行中心。
中〜高価格帯 中小企業に複数部門を横断したバックオフィス標準化を目指す企業。
人員最適化とDX導入を同時に進めたい組織。
SOICO
「シェアリングCFO」
CFO経験者やプロ人材を週1日からアサインできるシェアリングCFOサービス。 初期費用0円・月額更新: 導入ハードルが低い。 稼働時間の制約: フルタイムCFOの完全代替にはならないことも。
大量のオペレーションは対象外。
初期費用0円
業務内容に応じ個別見積
スタートアップ〜中堅企業で、CFO機能を試験的に立ち上げたい企業。
資金調達・IPO準備など特定テーマの専門家を求める企業。
ZenX
Finance BPaaS
AI×CFO伴走×データを融合。記帳〜決算〜予実・資金繰り・投資家報告を一体化した次世代BPaaS。 包括的ワンストップ運用: AIが分析しCFOが監修。
グローバル対応: 海外VC面談、英語レポート等に対応。
標準プロセス重視: 特殊業務の個別カスタムには時間を要する。
中〜上価格帯: 高度分析を含む上位プランの場合。
初期診断
¥40,000~
成長企業/スタートアップ〜中堅で、財務基盤整備を急ぐ企業。
投資家に信頼される数値を早期構築したい企業。
海外展開や資金調達を見据える経営層。

ZenX の提供サービス 「Finance BPaaS」について

ZenXの「Finance BPaaS」は、AI×CFO×データを融合し、企業の財務・市場・成長性を科学的に可視化する基盤です。投資銀行・VC出身者が財務戦略を支援しながら、実務もワンストップで提供します。
詳細はこちら: https://financebpaas.zenx.jp/

以上、主要なFinance BPaaS/BPO/CFO代行サービスについて比較・検討しました。自社の規模や課題に応じて最適なサービスを選び、上手に既存業務をアウトソーシングすることで、経理・財務部門の生産性向上とコア業務への集中を実現できるでしょう。本記事が「Finance BPaaS」サービスを検討する皆様の一助となれば幸いです。